使い慣れない炊飯ジャーでお粥を炊いた経験は1回だけあるが、うまくたけていた。
それなのに今朝はあわててパネル操作したせいか、出来上がって蓋を開けてみるとなぜか標準米に炊けていた。おお、うまそうな米だ。いやいや、お粥になってないじゃないかってことで、それは失敗だった。
スーパーは開いてないし、8時のはずの母の朝ごはんが9時になり、それもだめではたちまち昼になってしまうってことで、お粥の代わりにミニラーメンでごまかすことにした。
そもそも、俺は自分の食事ですら作ったことのない料理未経験に近い男だ。
普段は母の料理は妻が作ってくれていたのだか、ここ2週間は特殊な用事があって他県に外泊中で、残されたのは俺だけとなってしまったのだ。
インスタントラーメンとカップ麺くらいしか作ったことがない60歳前の男が母の食事を出しているという不思議な状況。
それにもまして、母は認知症ゆえに入れ歯を入れることもままならず、使えなくなっているため、歯が無い状態なのだ。難易度高すぎる。料理の作りてが未経験者で食べる人には歯がない。あまりにも絶望的で笑えてくる。
さっき分かったのがお粥を炊く時に水の量を間違っていたのだった。メモリのところまで水を入れるべきだったのに、なぜか米と同じ分量の1合しか入れなかった。